そら犬のエサ

ゆるいアニメとかマンガとか、ハードな音楽とか

聖地で『たまこまーけっと』と『たまこラブストーリー』を見た話

先週の某日、『たまこまーけっと』と『たまこラブストーリー』を見た。物語の舞台・うさぎ山商店街のモデルになっている「出町桝形(ますがた)商店街」にある映画館「出町座」で、アニメ10周年記念の上映。

 

お祝いムードの出町座

最近アニメを見始めたので、特に『たまこまーけっと』を含め2010年前後の「ちょっと古き良き作品」はことごとく見れてないのだが、いい機会とヒマに恵まれた。

 

大騒ぎの出町桝形商店街

 

アニメ『たまこまーけっと』感想とか

前評判が「普通におもしろい」程度で向かったため、映画館に(休憩含めて)5時間ほど監禁されるのは結構不安だったが、問題なし。「5時間監禁されて見ても普通におもしろい」と前評判が改定された。(映画館のため結構集中してみるハメになり、後半、次回予告→次話のステップで毎回脳みそがグルグルしてたが…これは疲労

 

話は基本的に日常系の優しいストーリーという印象。綺麗な風景描写や、人物の仕草の捉え方、絵の構図などには「これが噂の京アニ山田尚子)…」と何度もなった。ちょっと進研ゼミっぽい。

 

何よりすごかった(?)のはとにかく主人公・たまこが絵、セリフ、仕草の全てでかわいかったこと。なんか変態みたいだが、これは本当にすごい。特に後半、話が若干「これでいいのか…?」という展開になってきたとき*1も、「まあ、たまこ可愛いしええか」と作品を支える柱となっていた。キャッチコピー「あの娘はかわいい もち屋の娘」は、完全に作品の主題でもあったのだ。

 

1話目、バレンタインとたまこの友人・みどりの話(2話目)、臨海学校でのたまこを巡る(たまこの幼馴染)もち蔵とみどりの争いの話(5話?)、たまこの妹(あんこちゃん)の恋愛と父(豆大)の歌の話(8話?)、文化祭の話(10話?)が特に良かったかな。(?は連続して見たため話数がゴチャゴチャになり、合ってるかわからないやつ)

 

映画『たまこラブストーリー』とあれこれ

アニメから15分のインターバルを挟んでの映画。強者の動き。

 

アニメで全く回収されなかった(というかネタで終わった)もち蔵とたまこ(そしてみどり!?)の恋愛模様が映画では描かれる。あのアニメからここまでストーリー性のある映画が作れてしまうのか、といい意味で衝撃的で完成度の高い作品だった。

 

特に感心したのは、アニメで描かれた様々な要素が(多分泣く泣く)切り落とされ、商店街や学校、部活などのあらゆる出来事がたまこの恋愛(や進路)にシンボル的に結び付けられていた点。(そりゃ当然なんだろうけど)話ごとに様々なテーマを扱ったアニメと全く異なる制作の方向性を肌で(目で?)感じた。

 

さて、内容について。アニメから連続して見たこともあり(?)、たまこともち蔵のやりとりでソワソワしてしまうだけではなく、たまこの友人・みどりの(ある種)「失恋もの」として中々心が掻き乱された*2

 

みどりが揶揄っていた奥手のもち蔵が告白を決心する姿を見て、みどりが「自己嫌悪」と呟くシーン、その直後にたまこがみどりに「(友人として)大好きだよ」と返すシーン(これはマジでキツかった)、もち蔵のことをたまこが好きだと悟ってからも、他の友人たちと違い、積極的に背中を押せない諸々のシーンなど、心が震えた。

 

そして最後、もち蔵に会いに行くよう学校にいるたまこを急かすみどりは、どういう心境だったんだろうか…(わざわざ(慌ててきたのだろう)私服のまま休校中の学校に来て、たまこが絶対もち蔵に会いに行くように嘘までついていた)

 

好きな相手にできる最善のことと思ってやったのかな?いや、泣けるよ…

 

と、まあ、こんな内容として見てしまった。まあ、良いしおもしろい。

 

その後

出町座で見たことでありがたいことに、外に出れば聖地巡礼である

 

なんかおどろおどろしい商店街の写真

あの辺でたまこは動揺・水没したのだ

ちなみにアニメに豆餅が出過ぎて、とても豆餅を買う気になれなかった(以前食べたけど美味しいよ!)。まあ、また今度。

*1:ほとんどの恋愛が回収されないのはビビった。そりゃ映画はラブストーリーになるよな。

*2:アニメ2話や5話から、セクシュアルな感情を含むかは謎だが、何らかの意味でみどりはたまこのことが好き。よって、もち蔵とたまこの恋愛は彼女にとってあまり望ましくない。