ChatGPTに好きなアニメ・マンガを語ってもらった件
先日、生成系のAIの利用方針について、東大が見解を出したとかいうニュースを見た*1。まあ、大学としては、結構悩みの種だろう。
学術はさておき、アニメとかマンガのようなコンテンツについて、AIがどれくらい語ってくるのか気になったので、やってもらった。
うまくいけばコンテンツを語り合う仲になれる。
が、結果としてはまだまだ。
実践
実践1:AI、『明日ちゃん』を語る
手始めに最近読んだ『明日ちゃんのセーラー服』(博、集英社)を語ってもらおうと、「明日ちゃん」と聞いてみた。
AIが語る『明日ちゃんのセーラー服』はなかなか過酷な物語だ。何で混乱したのだろうか?「現代の男子高校生が東部戦線に行く話」はパワフル過ぎる。 pic.twitter.com/jBQWRzJeyr
— そら犬 (@sorainu_sky1) 2023年4月17日
まあ、だめ。マンガやアニメであることは正しいが、他が訳がわからない。「高校生の東部戦線転生もの」になってしまった。
ちなみに『明日ちゃんのセーラー服』や英語の正式タイトルで送ると、セーラー服についての説明になって、コンテンツの説明が消えた。
丁寧に聞いてもダメだった。
実践2:語れる『ゆるキャン』語れない「後藤ひとり」
他のコンテンツについてもやってもらった。(クッソ偏ってる)
まず成功例をいくつか。
とりあえず『ゆるキャン△』(あfろ、芳文社)については無難な回答を得た。
AIがどれくらいコンテンツを語れるのかは気になるが、『ゆるキャン△』については冗長だけど、無難な回答が来た pic.twitter.com/RcfafKfGcj
— そら犬 (@sorainu_sky1) 2023年4月17日
他に『てーきゅう』(ルーツ、Piyo、アース・エンターテイメント)も大体正しい回答が来る(3回に1回くらい意味わからん回答が来る)。
また、「オススメのきらら系を教えて」とか聞くと、いい感じで返答が来た(『ご注文はううさぎですか?』(Koi、芳文社)がオススメらしい)。
一方で無数にあるダメだった例の一つとして『ぼっち・ざ・ろっく』(はまじあき、芳文社)がある。
結構人気あるし、なんか学習していると思っていたが、うまくいかなかった。
どうしても主人公・後藤ひとりが芸人として認識される。劇団ひとりと混ざっているのだろうか?作品のコメディ的な要素も関与していそう。
一応考察
ほんとにただの考えなので、眉唾。
とりあえずChatGPTがどう学習しているのか、あれこれネット上に転がっているが*2、基本的にネットからの学習と対話者からの評価によるフィードバック学習で勉強してるらしい。
つまり(フィードバックはよくわからんけど)、ネット上で私たちがネット上でコンテンツをどう扱っているか、に依存して回答していると言ってしまえるはず。
こっから、どうすればいい回答が得られるのか、十分じゃないけど必要な条件をいくつか推測できる。
- 十分な情報が転がっているコンテンツへの質問であること
- アニメが複数シーズンやっているなど、語られる数が多い方がいい
- 言説が安定したコンテンツへの質問であること
- 連載やアニメ化から時間が経っている方が、コンテンツに対して正しい(マンネリ化した)感想が増える
- 一方『ぼざろ』のように二次創作ネタが多い現状だと、原作の情報と混乱しうる
- 特に、タイトルと他の言説が差別化されたコンテンツへの質問であること
- ローカルな質問よりグローバルな質問であること
- 特定の作品より「きらら系」のような大きな枠組みについての方が、ネット上に情報が多い
まあ、あくまで個人的推察ということで。
まとめとおまけ
結局、AIに作品を解釈させようとしたのだが、AIの解釈になってしまった。
とりあえず、現段階でAIがコンテンツを語ることは難しい場面が多そう。
しかし、情報選択方法の変化や、対話者の評価の増加で学習が変化・促進されるだろうから、1ヶ月後はわからんなあ。
ついでだが、解釈はさておき、創作についてはかなり面白いこと言う。